【顧客レポート】日神工業の取り組み〜若手社員が進める現場の働き方改革〜
昨年10月に公開した調査分析レポートで、規模や予算の大きな組織ほど労働時間削減を目的とした施策が社内に広がりやすく、組織的な取り組みも進みやすくなる傾向があると発表しました。
その一方でSPIDERPLUSを実際に活用しながら働き方改革に取り組んでいるお客様は組織の規模や構成が多岐にわたり、導入社数分の成功例があるのもまた事実です。
宇都宮市を本拠地とする日神工業株式会社様は従業員数143名で、SPIDERPLUSの活用も含めた、複合的な取り組みにより、労働時間の削減が進んでいます。
現場監督として活躍中の若手社員を中心に、同社の働き方改革の取り組みや、現場のDX導入の状況について、お話を伺いました。
お話:日神工業株式会社 工事部 菊地 智章 様、塩野 修平 様、伊澤 汰樹 様、鈴木 耀平 様
DX推進の始まりと変わったこと
2015年に3次元CADが導入されたのが日神工業におけるDXの始まり、と塩野様はお話します。
SPIDERPLUSの使用は2019年からで、最初は現場を限定しての導入だったのが生産効率の向上を実感したことから、2020年10月より工事部員33名全員で運用されるに至りました。
もとから現場の仕事をラクにするために新しいものを取り入れたいという意向があったそうですが、SPIDERPLUSを導入したことにより、特定の作業や段取りのために夜遅くまで残業することや、現場に出入りする際の荷物の減少、作業中にものを取りに行くために事務所と往復する段取りなどを削減できた、とのことです。
また、グループを統括する役割にある人がクラウド上で状況を効率的に把握できるようになったことも大きな効果の1つでした。
現場のペーパーレス化
SPIDERPLUSの導入により、現場では図面が紙からデータに置き換わりました。長らく現場を引っ張ってきた菊地様は次のように話します。
「以前は、日報一つをとっても、控えが残るようカーボン紙を裏に当てた紙に書き、それを上司に提出して社長にまで上げていたり、現場だと、紙に書き込んだ後FAXで本社へ送っていたりもしました。
エクセルに打ち込む時代になっても、印鑑を押して会社に送る必要があったため、結局紙に出力していました。
今はワークフローシステムで、全てデジタル化されています。日報については、段階を踏んでペーパーレス化が一番進んだケースになります。
それに追随して、現在現場レベルでのペーパーレス化という段階に来ているのだと思います。」
複合施策で年間2,000時間の残業削減!
鈴木様は、一部工程のアウトソースについて話してくれました。
「施工図の作成は作業時間の割合の多くを占めているため、その部分を外注することで作業時間の削減につながり、働き方改革に大きく寄与しています」
現場の人数や、一人あたりの仕事量などを見て現場所長の判断で利用することがあるとのことです。
デジタル化やアウトソースを組み合わせることにより、管理者が割くことのできる時間が増え、「上司が現場に足を運んでくれる回数が増えていると実感しています」とも話してくれました。
また、全社的なノー残業デイも制定され、水曜日は現場で働く人達も17:30には退勤するよう、意識付けがなされているとのこと。
こうした複合的な取り組みのおかげか、2021年の残業時間は会社全体で2,000時間以上削減されているそうです。
「全社員の削減時間なので一概には言えませんが、DX推進も、残業時間削減の一部を担っているのではと感じています」と伊澤様は語っています。
働き方改革の今後
日神工業ではウェブサイトにも「社員が財産」であると載せており、現場のDX推進もまた、そうした方針にのっとった取り組み、と社員たちは感じているそうです。
また、神宮厚社長が社員の体調や家族のことを第一に考えていて、現場のDX導入が業務の効率化や品質の向上に繋がるのならば、どんどん導入していこうという方針でいることも支えになっていると3名は語ります。
今後は工事部としての残業時間削減目標を設定し、働き方改革をこれからさらに進めようとしているのだそうで、同社の取り組みはまだまだ続いていきます。
Recent Posts最新記事
過去イチコミュニケーションのとりやすい開発組織で毎日がとても楽しい
皆様こんにちは。 今回はスパイダープラスのiOSチームで活躍中の舘さんのインタビューをお届けします。 2024年7月に入社した舘さんは、翌月には早速異なる開発言語 ...
建設業従事者の「働きやすさ」「働きがい」に関する調査レポート
はじめに 建設業では2024年4月から働き方改革関連法が適用されました。 各社は法令遵守のために主としてデジタル推進を中心に効率化を進めています。 そこで、従事 ...
大切なのはコミュニケーション!主体性をもって、顧客を理解し、技術を磨く
皆様こんにちは。 今回はスパイダープラスで開発組織を率いる紙岡保さんのインタビューをお届けします。 スパイダープラスは自らの現場作業で感じた疑問をきっかけに建設D ...