勤怠管理はデジタル化の指標!?建設業界のデジタル化調査レポート

スパイダープラスでは、建設業界におけるデジタルツール導入の現状を把握すべく、2022年11月にオンライン調査を実施しました。

「勤怠管理ツール」と、現場のDXを目的とする「施工管理ツール」の浸透度を調査、そこから「建設業の働き方改革関連法」への取り組み状況との関わりを分析することによって、来たるべき2024年問題への第一歩のカギを見つけてまいります。

スパイダープラスはご存知のように勤怠管理ツールを提供する会社ではありません。
ただ、職種問わずに利用するものであること、2024年法適用の目玉である「時間管理」の根幹をなす時間の把握に直結するものであることから本レポートでは「勤怠管理ツールの利用浸透」に特に注目しています。

なお、本記事で「デジタルツール」と記述するものは、人の手を介した作業を省くことができるものと定義し、Excelシートはデジタルツールとは区別して扱います。

  • 調査の概要
    • 調査時期:2022年11月22〜24日
    • 調査方法:オンライン調査
    • 調査対象の属性:日本全国の建設業に従事する20代から60代男女
    • 調査対象人数:4,594名

勤怠管理ツールは半数近くが未導入!ツール導入状況

回答者の勤務先で、勤怠管理と施工管理のツール導入状況について尋ねてみました。

勤怠管理ツールでは44.8%、施工管理ツールは37.6%が導入している、と回答しています。

勤怠管理ツールは施工管理ツールとは異なり、会社の中での役割を問わずに使用することができます。
実際は半数近くが未導入であることが明らかになりました。

次の項では44.8%が「導入している」と選んだ勤怠管理ツールについて、もう少し詳しく聞いてみます。

エクセルシートは脱アナログのはじめの一歩!?本当の勤怠管理ツール導入割合

「デジタルツールを使用している」を選んだ回答者に対し、具体的な勤怠管理の方法を聞いてみました。その結果は3つに分かれます。

デジタルツールを使用していると回答した回答者のうち、37.7%が「Excelシートへの入力」、5.5%が「紙のタイムカードへの打刻」を選んでいます。

冒頭に、デジタルツールは「人の手を介した作業を省くもの」と定義しましたが、回答者がデジタルツール、と認識しているものは、私達が定義するものと異なり、「紙ではないもの=デジタル」、と認識している可能性が考えられます。

エクセルシートの入力を分けたところで、改めて、回答の母数4,954に換算して、勤怠管理ツール使用率を算出してみました。
実際の勤怠管理ツールの使用率は21.9%で、施工管理ツールの使用率よりも低いです。

勤怠管理ツールは施工管理ツールと異なり、職種を超えて使用するため、初期に必要なライセンス数も多くなり、導入コストが大きくなりがちです。
仕組みを大きく変えることによって、導入から活用に至るまでもそれぞれが所属する部門の事情を超えたものとなり、情報の社内周知に割く労力もかかります。
また、建設会社は労働者を雇用しない一人親方、などに端を発する組織もあり、勤怠管理に対する概念が他の業界とは異なることも少なくないと考えられます。

勤怠管理のツール導入と組織規模の関係

勤怠管理に「デジタルツールを使用している」と回答した回答者を、デジタルツールを使用しているグループ(以下「デジタルグループ」)、Excelシートを使用しているグループ(以下「Excelグループ」)、紙のタイムカードを使用しているグループ(以下「紙グループ」)の3つのグループに分けて、それぞれの特徴を調べてみました。

企業規模別に分析してみると、規模が大きくなればなるほど、デジタルグループの占める割合が高くなる傾向が見られます。30人未満の企業では、Excelグループが6割近くを占めます。30人以上100人未満の企業では、デジタルグループ(58.1%)の割合がExcelグループ(42.9%)を上回ります。

冒頭、「人の手を介した作業を省くのがツール」と定義いたしましたが、企業の規模が大きくなるほど、人の手を介する部分もまた大きくなりがちで、勤怠管理でツール導入をすることの必要性を感じやすくなる、と考えられます。

ツール導入に見る働き方改革への本気度

デジタルグループ、Excelグループ、紙グループの間で、デジタルツール導入を専門に扱う担当部門やワーキンググループの有無に違いがあるかを調べてみました。

デジタルグループの71.6%が、担当部門またはワーキンググループがあると回答しました。
一方で、Excelグループとタイムカードグループでは、「今後設置される予定もない」、「分からない」と回答した回答者が半数以上を占める結果となりました。

この結果から、デジタルツールを導入している企業は、働き方改革を進めることに対して全社的な課題意識があること、その手段としてデジタルツールを導入し、課題解決を進めていく意向があるという仮説が考えられます。

2024年問題の理解度とデジタルツール使用との関係性

デジタル、Excel、紙の3グループ間で、「建設業の働き方改革関連法適用(以下、法適用)」の理解度を調べてみると、デジタルグループは「非常によく知っている(15.5%)」、「良く知っている(26.1%)」を占める割合が、他の2グループに比べていずれも高いです。

また、法適用に伴う社内での取り組みに対する理解度も、デジタルグループの理解度は、他の2グループに比べて高い傾向を示しています。

これらの結果を踏まえて、前章で立案した仮説の「働き方改革を進めることに対して全社的な課題意識があること、その手段としてデジタルツールを導入し、課題解決を進めていく意向がある」と判断することができます。

全社的に取り組むことにより、法適用を踏まえた施策が行なわれ、その結果として法適用の理解度も他のグループに比べ高くなっている、と考えられます。

特定の人の負担を撤廃!?2024年問題への備えにも

2024年4月の法適用は残業時間に月間45時間の上限がつき、違反した際の罰則規定が設けられます。
法適用に備えるために、勤怠の実情を把握することは第一歩となるのではないでしょうか。

また、そのための手段として、勤怠管理ツールの導入は重要な第一歩です。
時間の
現状把握が効率的になされることによって他の施策との組み合わも奏功し、組織的な対策に繋げていくことにもなります

組織的な対策の末にあるのは、一人ひとりにとっての長期的な働きやすさであり、建設業界そのものを発展させ、仕事を通じてすべての人々の良好な生活基盤の提供に貢献していくこと、とスパイダープラスでは考えています

法適用まで約1年となった現在、まずは状況の把握から第一歩を踏み出してみてはいかがでしょう。

関連項目

「人の手」から「デジタル活用」へ〜建設業の労働時間削減のポイントは?
https://jobs.spiderplus.co.jp/spider-class/1101

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