2022.04.22

【SPIDERPLUSと女性たち】vol.2オーク設備工業

“風通しがいい”と いうのは、きっとこういうこと

“大企業の関連会社“そう聞くと、安定を第一に落ち着いた社風の会社が多いと考える方も少なくないのではないだろうか?もちろん安定・安心という風土の中、若い女性達の活躍を中心に、独自の価値観を生み出している企業がある。その会社はオーク設備工業株式会社様。どのようなフィールドなのか、現場にお邪魔してお話を伺った。

お話をお伺いしたのは、オーク設備工業株式会社様(画像、左より)
・秋葉 奈々 様       東京支社  工事部
・髙橋 梨沙 様       東北支社 生産設計担当
・鈴木 ありさ様       東京支社 工事部

■業界への興味と控えめな強さが風土を作る

「父の仕事する姿を見て、この業界への興味が大きくなり自然と選んでいました」そう語る入社1年目の秋葉奈々さん。続くように「私も父が建設業界でした。最初は同じ建設業を考えていましたが、オープンキャンパスで設備のお話を聴き、やりたい!と感じこの道を選びました」と話す髙橋梨沙さん。学生のうちからこの業界への想いが強い皆さんだと感じるところから座談会がスタートした。前述の髙橋さんは入社8年目。この3月仙台へ転勤となりジョブチェンジもしている。生産設計担当として施工図作成の豊富な経験を、今度は現場に活かしていく。複数の施工図を手掛け、上司や後輩からの信頼も厚い存在。そんな方が初めての土地・今までと違う仕事に就く。一見、大変なのでは・・と考えてしまうが、「施工図作成は長く従事してきましたが、現場の経験はないので、覚えることも沢山あります。先日初めて現場に出て、沢山の刺激を受けました」と話す表情は終始笑顔だ。不安よりも仕事の幅を広げていけることにやり甲斐を感じていることが伝わってくる。インタビュー前に、「すみません、途中携帯が鳴って対応することもあるかもしれません・・」と恐縮そうに伝えてくださった入社2年目の鈴木ありささんの携帯は、インタビュー中何度か鳴っていた。都度的確に対応している様子から、臨場感と頼りにされている仕事ぶりが感じられる。それをそのまま伝えると、「いえいえ、まだまだで・・」とどこまでも控えめだ。

3人を通じて、この「まだまだです」という言葉がよく聞かれていたが、その謙虚な想いと共に、今の仕事が好きで選んだという誇りと、もっとできるようになりたいという向上心が重なっている。この幾層も重なる彼女たちの想いが会社の底上げをしているようだ。

■大企業グループだから・・だけではない

オーク設備工業株式会社のロゴマークは、末広がりの緑と常に向上を目指す青で作られている。そう、建設業界大手、あの「大林組」と同じロゴだ。“あの”と付いてしまうほど、知らない人はいない老舗会社の関連会社だけに、「安定」という言葉が一番に浮かんでくる。座談会前にも、大手関連会社特有の安定感や落ち着きがあると予想していた。もちろん、予想通り、出席してくださった皆さんも、出迎えてくださった方々からも安定・安心を感じ、またお話の端々に出てくる『研修』の充実ぶりは、さすが大手関連会社と頷くばかりだ。ジョブ別・年数別と数々の研修や考え抜かれたジョブローテーションで、着実に仕事を楽しめるプロへと成長していく。でもここオーク設備工業株式会社は、その上に、オーク特有の温かな毛布が一枚掛かったような心地よさが漂っている。「今、この業務を担当しているんだってね。頑張りは聞いているよ」という役員からの声掛けも珍しくないとのこと。一人ひとりの業務を把握し、頑張りを認め、激励していく社風はそうよくあることではないはずだ。大手の安定と目配りが行き渡っているアットホーム感が、絶妙なバランスで保たれているからこそ、座談会という短い時間滞在させていただいただけで、心地良さを与えてくれるのだろう。

■活躍の場はそれぞれのベクトル

終始控えめな皆さんに【活躍している女性(人)ってどんな人だと思うか】という質問をさせて頂いた。その回答には、如何にご自身の頭と目線で「活躍・成長」を捉え、考えているかが現れていた。『その仕事が本当に好きで、活き活き取り組んでいる人は男女問わず活躍していると思う』(髙橋さん)『分からないことは分からないままにせず、学ぶ意欲を持っているひと』(鈴木さん)『周りの人のことを考え、”この人が居ると心地良く仕事ができる“と言われるような空気を作れる人』(秋葉さん)と三者三様だ。人は自分の視点や思考が向く方向へ進むといわれている。この”活躍している人“という質問の回答を通して、「自分自身がこういう人になりたい」という将来への決意を描いているようだ。これだけバラエティに富んだ「活躍」を目指している社員がいる。それだけで会社の将来が楽しみになってくる。数年後にお邪魔させていただいた時にはきっと、回答通りの”活躍している人“になっているだろうと、お話を聞きながら確信した。

■覚悟と未来像が今を創る

女性が少しずつ増え始めたといわれる建設業界。それでもまだまだ現場レベルでは少人数。そんな中、皆さんのように活躍している秘訣は?と伺うと、“女性だから”と特別意識したり何かやったりはしていないそう。様々な人と関わる現場でのお仕事は、周りを受け入れる心の広さ・密なコミュニケーション力がキーポイント。職人さんや内装の方、配管担当の方・・とにかく多くの方がいる現場で、積極的に関わり話を聞き、少しずつ変わっていく風景を楽しみながら仕事を進めている姿に、男女の違いはないようだ。一方、まだ女性社員が少ないからこそ、女性同士の絆や助け合い、教え合いが頻繁に行われている。座談会に参加してくださった3人も、実は久しぶりに顔を合わせたとのこと。それを全く感じさせない連携とテンポの良さからも信頼関係が築けている様子がうかがわれる。人を大切にし・信頼関係を築いているこちらの会社では、3人のお子さんを出産し職場に戻っている女性社員の方もいると聞いた。3人は、まだ自身が出産して育児と仕事を両立させていくのは、先のことのように感じて想像できないとのことだったが、「その時」に備えてしっかりとした考えをもっていた。『育児休暇を取るのは女性だけとは限らないと思っています。働きたい女性には働く場所を。男性が育児休暇を望めば、取得をして育児をすることも当たり前になっていけば!』と語る言葉には、彼女達の考え・行動が、男性女性というカテゴライズではなく、個人を尊重し、更に多彩で柔軟な働き方の出来るフィールドにしていくという強さが込められていた。仕事を愛し日々成長しているプロフェショナル達が、会社同様『(働く人に)最適な空間環境』を築いていくのだ。

  

アットホーム・風通しがいいという言葉は、本当によく耳にする。けれども、オーク設備工業は、〝本物のアットホームさ“があるいうことが随所に現れている。それは、次々と出てくる社内の温かなエピソードであったり、座談会の準備中もお話を伺っている最中も、優しい声掛けとまなざしで、彼女達を見守る上層部の笑顔であったり。若い彼女たちを大切に育て、会社内で成長していってほしいと願っている親心のようだ。この会社に「安定・安心」という言葉が似あう理由は、「あの大林組」の関連会社だからということはもちろんだが、それだけではない。何よりも親心のように社員を大切に育む文化と、その親心を存分に浴びながら改革し成長し続ける彼女達の姿そのものだと感じずにはいられない。そこにオーク設備工業が掲げる【新たな価値創造】の芽があるのではないだろうか。

□取材日:令和4年3月31日
□取材場所:都内現場事務所

【執筆者】
下地くにこ
一般社団法人ウーマンズキャリアプロデュース協会代表

総合商社・広告代理店にて17年間人事業務に従事後、2015年独立。
中小企業を中心とした【社外相談ルーム事業】の他
数社の社外人事を兼務。相談人数は2,500名以上。
また、企業取材のファシリテーターやキャリアコンテストの審査員・講師を歴任。

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