プロダクトロードマップメディア向け発表会レポート

スパイダープラスでは、2025年7月8日にマスメディアの方々を対象に、プロダクトロードマップ発表会を開催いたしました。
絶対的な正解のない建設DXについて、認知を増やしながらより多くのステークホルダーを巻き込んで推進していくために、マスメディアの方々は大切なパートナーです。
発表内容のダイジェストと共に、建設業界の課題や今後の理想について語ってまいります。
目次
建設市場状況とSPIDERPLUS
取締役副社長の鈴木雅人が登壇し、市場状況とSPIDERPLUSの必要性についてお話いたしました。
建設業界は今後も市場拡大が見込まれており、2021年の建設投資額62.7兆円が2035年には71.3兆円に達すると複数の統計から試算されています。
しかし一方で、建設現場の担い手は減少傾向が続いており、2000年と比較して2040年には56%も減少する見通しです。
こうした人手不足の中、2024年には働き方改革関連法が適用され、月間労働時間が45時間以内に制限されるなど、労働環境の改善と効率化が強く求められています。
さらに、政府や行政による公共工事でのBIM/CIMの原則適用やアナログ規制の撤廃、建築確認時のBIM図面審査など、デジタル技術の活用が加速しています。
これらの動きを受けて、施工管理サービスの普及も進んでおり、2027年度には2024年度比で25.6%の市場規模拡大が見込まれています。
SPIDERPLUSは建設業従事者の現場経験から生まれたサービスとして2011年に開発されました。現場で感じた課題や疑問を出発点にしているため、現場の実情に即した機能が特徴です。
特にビルやマンションなど大規模現場において、膨大な図面の管理や煩雑な工事写真の整理など、現場監督の施工管理業務を大幅に効率化します。
サービス提供から15年を迎えようとしているSPIDERPLUSは、建設市場の動向と共にここまで続いてまいりました。
近年では自社を第二創業期と位置づけていること、またDX先進企業の動向にも鑑み、「つくる人の”働く”を夢中にする、現場インフラ」というビジョンを掲げています。
これは、現場で働く人々がより生産的かつ意欲的に働ける環境を提供し、建設業界全体のDX推進と持続的成長に貢献することを目指すものです。
昨年からスパイダープラスでは、プロフェッショナルサービスを本格稼働させ、DX先進企業との共同取り組みを進めています。
より大規模なSPIDERPLUS活用を中核としたDX推進や個社対応の積み重ねを汎用的なサービスへと昇華させ、SPIDERPLUSが「現場インフラ」になることを実現させようとしています。
SPIDERPLUS Workspace構想について
続いて登壇したのはプロダクト企画本部長の須藤正司。
建設DXに精通し、業界のデジタル化推進に貢献した後、スパイダープラスに参画し、現在はプロダクト企画本部長として、建設業界向けプロダクトの戦略立案と推進を担っています。
現場の課題
建設業界では現場従事者の人手不足、建設工事の複雑化とそれに伴う効率性、紙資料や電話・口頭で行われる情報伝達の難しさが長く課題として続いています。
現場の生産性・品質・安全性を守るには、デジタル活用による抜本的な業務プロセスの変革が必要です。
特に、大規模な現場であるほど出入りする従事者は膨大な人数におよび、業務内容や立場を異にする関係者同士が、日々様々な調整を行いながら効率的な情報連携がなされることは工事進捗や生産性を大きく左右します。
こうした現状に鑑み、スパイダープラスでは、現場の課題を「ヒト・コト・モノ」の3つで見つめてみました。
ヒト:労務・安全管理の高度化
現場では元請け・一次請け・専門工事業者などの多様かつ多くのヒトが出入りを繰り返しており、場内/外でのヒトの管理が非常に複雑なため、非効率な業務が多く発生しています。
SPIDERPLUS WorkspaceではKY(※1)・出面管理(※2)などの紙で行われてきた業務をデジタル化し、安全とコンプライアンスを現場で担保する仕組みづくりをラクに実現します。
(※1 KY:危険予知、の略で作業現場での労働災害を未然に防ぐために巡回、報告作業が行われる。)
(※2 出面管理:建設現場における作業員の出勤状況や入退場を記録・管理する業務のこと。)
コト:業務と情報の効率化
建設現場ではミス防止と品質向上を目的に品質管理や管理監督の証跡を残し、様々な情報を管理しています。
その情報量は膨大であり、情報収集プロセスのほとんどがアナログな手法で行われるため、収集・入力・出力・提出・管理に非効率な業務が多く発生していました。
SPIDERPLUS Workspaceでは是正指示や検査を図面上で同時進行し、コミュニケーションコストと移動コストを大幅削減することで、業務と情報の効率化を実現します。
従来提供してきたSPIDERPLUSの既存領域を強化し、「図面メモの共同編集」「指摘管理機能のエンハンス」「UI/UXのエンハンス」の3本柱で現場業務を強力に支えます。
モノ:機材・資材の最適管理
建設現場では機材や資材など、モノの出入りが繰り返され、場内/外でのモノの管理が非常に複雑なため、非効率な業務が多く発生しています。
SPIDERPLUS Workspaceでは発注から返却、補償までを一元管理し、現場と業者双方が共通の資材・機材の循環モデルのもとで効率的な管理を実現します。
これらの課題を統合して解決しながら抜本的な業務プロセス改革を目指すプラットフォームが、SPIDERPLUS Workspaceです。
ロードマップに沿って、順次機能提供予定
2011年から提供してきた、いわば従来のSPIDERPLUSは、建設現場の課題のうち「コト」にフォーカスしたものでした。
ヒト・コト・モノの3要素を統合し、業務全体のデジタル最適化を実現するSPIDERPLUS Workspaceによって、建設現場ならではの「モノ」にまつわる課題と、「ヒト」に関する課題も当社サービスの提供範囲とし、プロダクトロードマップに沿ってサービス開発を進め、個別の機能を順次提供してまいります。
具体的な時期については、この先の発表をどうぞお楽しみに。
これからの建設DXをSPIDERPLUS Workspaceと共に
ご来場の記者から寄せられた質問の中には想定しうる顧客基盤について問うものがありました。
このたび新たに発表したSPIDERPLUS Workplaceでは「ヒト」の課題も従来の「コト」と同様に位置づけています。
現場に出入りするのは元請け業者のみならず一次請けや専門工事業者など、実に多岐にわたり、包摂性をもって課題解決にあたることが急務です。
スパイダープラスは、保温断熱工事業を原点とし、自らの現場作業を効率化するために建設DX事業へと挑戦してきました。
2011年のSPIDERPLUS提供開始以来、私たちは建設業界が直面するさまざまな課題に対し、お客様と共に解決策を見出してきました。
SPIDERPLUS Workspaceのリリース以降は、「現場の改革パートナー」として、現場の声に耳を傾けながら機能の開発・改良を重ね、業界の皆様とともに歩み続けることはこれまでと同様です。
これからも私たちは、現場の最前線で働く方々の力となるべく、現場の課題解決に真摯に向き合い、建設業界の未来を切り拓く存在であり続けることを目指します。
参考情報
統合プラットフォーム「SPIDERPLUS Workspace」を順次提供開始(2025年7月8日付)
https://spiderplus.co.jp/news/news-release/9160/
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