日本市場を外から見つめて感じた生産性というカギ。遥か大きな価値創出のために重要なこととは

皆様こんにちは。本日は2024年1月に執行役員に就任した佐藤誠治さんのインタビューをお届けします。
スパイダープラスに目を留めるきっかけとなったのはAmazonにいた時に感じた日本市場の低下にあったとのことです。

日本市場の特徴や建設業の抱える課題に対し、スパイダープラスが事業を通じて貢献できることや、そのために取り組んだ社内での取り組みについて、語っていただきました。

佐藤 誠治
佐藤 誠治
執行役員 ビジネスグループ グループ長
リクルートにて広告営業を経験後アマゾンジャパンに入社、書籍事業本部の統括部長として営業戦略の立案、中期マージン改善計画策定、実行に携わる。
その後ベンチャー企業のCOOを経て2023年11月にスパイダープラスに参画、本部長としてセールス本部を統括。2024年1月からは執行役員、4月からはビジネスグループ長に就任し、営業部門全体を管掌している。テコンドー黒帯で指導員としての顔も持つ。

生産性のカギとは〜他の市場との比較から感じたこと

スパイダープラスに関心を持ったきっかけは、Amazon時代に感じた、日本市場の競争力が低下していると、その背景である生産性の低さだったとのことですね。
日本市場それ自体がひとりでに弱体化したのか、それとも他の市場が伸びる中で相対的に低下をしていったのでしょうか。

佐藤さん
佐藤さん
相対的に低下していったと見ています。
個々のレベルの高さや安定的に結果を出すことに優れている点は日本市場の大きな特徴です。

一方で全員がおしなべて100点であることを目指すことに目が向いているうちに、他の市場が急激に変わっていくのです。

例えばヨーロッパの市場に目を向けてみると、それぞれの加盟国は100点の集まりという訳では決してありませんが、一つの経済圏としてまとまることによって150点や200点など、個々の満点よりも大きな結果を得ることができます。

日本は自分自身の故郷だし、仕事を通じて市場がより良くなることに貢献していくことを望んでいますが、こうした状況を見ていると、高く安定的なレベルを備えていたとしても、大きな生産を自ら妨げるような要因が内にあるように感じたのです。

生産性を低くしてしまう要因はどういう点でしょうか。

佐藤さん
佐藤さん
誰もが平均的なレベルの高さを備えていて、何ごとも手抜かりなく取り組む長所の一方で、何事にも100点を目指す姿勢ゆえ減点主義的になりがちなところがあるように思います。

また、例えば100点のうち92点を取っていながら、残りの8点を得るために努力することは、もっと低いところから取り組むよりも遥かに大きなエネルギーを必要とします。目的本位に物事を見つめ直してみると、残り8点を得るための取組には、実際のところ本質的でない部分が多いのです。

100点ではなくとも、それぞれの良さをかけ合わせるように取り組むことができれば、ゲームチェンジの主人公になり、満点では収まらない、もっと大きな結果を生むことができます。

スパイダープラスは生産性の向上をサービス提供を通じて実現する組織であり、そこから現在へと繋がるのですね。

建設DXの「X」をより大きくするために

スパイダープラスが主な対象とする建設業は100点であることが大前提であり、そうでなければ命に関わることも起こりかねません。
100点を守りながら、より大きなものを得るために、事業を通じてできることは何でしょうか。

佐藤さん
佐藤さん
建設業に従事する方たちのことを考えた場合、例えば現場で施主との間に立つような役割の方であればチャレンジできるのは、仕様や設計の範囲にとどまり、限定的です。それ自体を変えることはできません。

そこで、我々がサービス提供を通じてチャレンジできる幅を大きくしていくのです。

スパイダープラスのアイデンティティは「& Co.」共に、ですが、顧客とともに大きな生産を目指してともに取り組んでいくことです。

※スパイダープラスのアイデンティティ「&Co.」共に、について詳しくは以下
https://spiderplus.co.jp/about-us/mission/

建設DXの「X*」、仕事の仕方を根本的に変えることをサービス提供によってともに起こすことですね。

(*X = Transformationの略字。接頭語のTransをクロスに見立てたことによる)

佐藤さん
佐藤さん
DXという言葉自体は2021年頃に知りました。DXという言葉の誕生からするとだいぶ遅い方だったと自認しています。

何かを根本的に変えるにあたって、その途上の動きに対して代名詞をつけると、それ自体を目的化しがちです。
また、DXを進める場合も100点を目指す土壌から抜けきらないと価値を提供する側と、受ける側との溝は埋まらないまま時間が過ぎてしまいます。

スパイダープラスの事業を通じた「トランスフォーメーション」、つまりお客様たちが仕事の仕方を根本的に変えるためにはどんなことが必要でしょうか。

スパイダープラスの事業を通じてトランスフォーメーションを起こすためにはその先の目的を見据えた上でお客様と関わっていく必要があります。

現場業務のデジタライゼーションにより、ペーパーレス化が起き、様々な作業の省力化や省時間化が起きる。
それらはいずれも「X」への途上の動きであり手段です。

こちら側が可能な限り先を見通した上で「D」、デジタライゼーションによるマイルストーンを敷いていきます。

お客様の様子を見極めながら適切なものを提供していき、大きな目的達成に至るということですね。

佐藤さん
佐藤さん
建設業界ではデジタライゼーションそのものもまだまだこれから取り組むところが少なくありません。

そういう方々に遥か先の根本的に仕事の仕方が変わったあとのことをいきなり話してすぐに納得してもらうのは難しいはずです。

そこで、遠い「X」に1つずつ先に向かっていきながら適切なタイミングでクリアできそうなものを提供していきます。

お客様にとっての間口は、まずは個別の手段でも構わないのです。
ただし、その際もこちら側は遥か先の大きな目的を見据え、潜在的なニーズをたえず見出します。

例えばスパイダープラスではBPOサービスやBpaaSなども提供していますが、単に客先にサービスとして提供して終わるだけではなく、やり方次第では建設業従事者にはまだまだ少ない女性やハンディキャップのある人など、新たな雇用を生むことにもつながるはずです。
そこまで見据えます。

より大きな結果のための、情報の問題

スパイダープラスでは導入顧客が増加を続け、個々の導入先でもサービスの活用が浸透していく中で営業、カスタマーサポート、カスタマーサクセスなど、それぞれ専門的な職種が対外的なコミュニケーションを担うことも増えています。
こうした状況下でよりよいサービスを提供していくために、社内での課題は何でしょうか。

佐藤さん
佐藤さん
情報をできるだけたくさん持ち、全体像を把握することです。

お客様やパートナーなど、営業活動にも様々なステークホルダーがいます。

スパイダープラスの置かれている状況や現在のプロセスの背景について情報を持ち合わせることができるのは、お客様ではなく我々です。

例えばお客様が何かのご要望をくださった場合を考えてみましょう。

なぜこのプロセスを辿ろうとするのか、中長期的にどのようなメリットや利益につながるのか。
これらはビジネスグループに所属する社員全員が説明責任を負うことだと考えています。

そうすれば営業担当はサポートやカスタマーサクセスの状況を全く知らないままでいていいということはなく、自分自身が関わるものに対して、能動的に情報を得なくてはなりません。そこで、コミュニケーションが重要です。

コミュニケーションというのは必要な情報を過不足なく相互に持つことですね。

佐藤さん
佐藤さん
情報の問題をより良くするために取り組んだことが大きく2つあります。

1つ目は会議のあり方を改善することです。会議の目的や参加者を再考して、役員、部長、課長の間の情報の格差をなくしました。

全体像が等しく共有され、理解したら、あとは個々が役割を果たしていきます。

情報が限定的ではできることに限りがあります。
整流化した情報を格差なく共有することによって、個々の満点を寄せ集めるよりも、遥かに大きなものを得る集団として動いていくことができます。

2つ目は管掌しているビジネスグループを主な対象にTenets(テネッツ)を配布したことです。

Tenets自体は信念や信条を指す言葉ですが、スパイダープラスでは業務上発生する様々な場面において「正しい」行動を取るための「考え方の礎」です。

社内での、日々のコミュニケーションで共通認識を持ち、判断に迷った場合に参考にすることや、会議を円滑にすすめるための前提、意思決定する際のチェックポイント、顧客との折衝における行動指標等様々な場面で役立てることができるはずです。

「礎」ではあるものの、永久に変わらないものではなく、会社の状況によってTenets自体も変わっていきます。
今配布したものは4月時点でのものにすぎません。

ベンチャーマインドと目的意識で誰も見たことのない未来を

共通軸のもとにそれぞれが自身の役割を可能な限り果たすことは、見かけ以上の真のダイバーシティを生み出しそうですね。
今後どんな方と一緒に働きたいですか。

佐藤さん
佐藤さん
1つはベンチャーマインドを忘れない人です。

ベンチャー企業というのは、大企業の枠組みでは取り組みにくい独自の技術や新しいアイデアを実践し、成長している企業です。
独自の技術や新しいアイデアを実践し成長し続けることがベンチャーです。

企業は社員の集合体なので、社員も同じく独自の技術や新しいアイデアを実践し成長し続けることが必然です。

我々がベンチャー企業である限り、成長し続けることに終わりはありません。
如何なる立場を持ち、キャリアを積んだ社員であっても、今日は常に初日であり、ビジネスフェーズは常に黎明期です。

2つ目は目的意識を持てる人です。
常に黎明期にあるベンチャー企業では、合理性をもって、昨日作ったものを今日は壊すことが、時には必要です。

前提が変われば、目的だって変わっていきます。
時勢に合った動きを取るならば、短期的には意見が180度変わることも、往々にして起こり得ることです。

その時に意見が180度変わった、ということに拘泥するのではなく、目的意識を持つことで、中長期的で包括的な判断のもと、変えることを厭わずにできるのです。


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https://spiderplus.co.jp/contact/

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