育児休業取得のカギは日頃の信頼!男性社員の育児休業インタビュー

皆様こんにちは。スパイダープラスが2024年1月に発表した「産育休ガイドブック」には大変大きな反響が寄せられました。
多くの方の目に触れて、たくさんの好意的なご意見を頂いたことに喜びを感じるとともに、たくさんの方や会社、組織がダイバーシティについて模索している最中にあることを改めて実感する機会となりました。

文字通りに多様な「ダイバーシティ」の中で、近年注目度の高いテーマのひとつは、育児・介護休業法の改正でますます進もうとしている男性の育児休業取得ではないでしょうか。
実はスパイダープラスでは従前より育児休業を取得する制度があり、2022年には在籍する男性従業員のうち、29%が取得しています。

この記事では、昨年育児休業を取得して復帰した社員とその上長が、実際に体験してみて感じたことをお届けいたします。

池田 有冬
池田 有冬
大手ゲーム会社でゲームセンター用のゲーム機開発に従事し、プログラマーとして経験を積んだのちに漫画の編集会社でモバイルアプリ事業の立ち上げへの参加を経て、2018年にスパイダープラスに入社。

技術開発部でプロダクトマネージャーをつとめている。3児の父。

紙岡 保
紙岡 保
建設業への従事経験やテック産業の経営などを経て、2022年よりSPIDERPLUSの開発を率いている。

ゼネラルマネージャーとして働く一方、育児中の家庭人でもある。

阪田 麻椰
阪田 麻椰
金融業界2社経験後現職。事業の社会貢献性に魅力を感じ2020年に入社。

採用広報や人に関する組織開発を担当ののち、出産・育児休業を経て復帰。

現在は組織開発を牽引しながら一児の母としても奮闘中。

育児休業取得を決めたときのこと

池田さんは昨年育児休業を取得し、3ヶ月後に復帰しましたが
育休取得は元々決めていたのですか?

池田
池田
家で相談して決めてありました。

上に子どもたちがすでに2人いるのですが、3人目の子どもが生まれても、彼らが生活を大きく変えることなく過ごせるよう、家のことにしっかり取り組もうと考えたのです。

そこで、安定期に入った頃に紙岡さんに相談しました。

相談された紙岡さんはその時のことを覚えていますか?

紙岡
紙岡
はい。僕自身も育児をしていますが、育児は女性だけのものではないですよね。

迷わず送り出しました。チーム内には不在中を任せられそうな人材がいますし、心配することもなかったです。

お話を切り出した、池田さんはどんな心境でしたか?

池田
池田
スパイダープラスは育児休業をとって戻ってきている男性が珍しくないので、却下されることはないと信じていました。

無事に受け入れられたので、そこからは自分が抱えている仕事の割り振りをして引き継ぎを進めて、とにかく持っている案件を終わらせることを考えました。

同じタイミングで開発組織のチーム編成が変わったのですが、そのことも引き継ぎを進めるのにちょうど良かったです。

育児休業の実際

ところでスパイダープラスの育児休業はどんな風に取得できるのですか?

阪田
阪田
育児休業取得を本人からツール上で申請してもらい、その情報を元に人事の担当者が面談を行ないます。

女性の場合は産前・産後休業がありますので、お休みに入る希望時期などをヒアリングして調整していきます。

男性の育児休業はお子様が生まれる日程が正確に把握できないこともあり、ご本人と人事担当者で色々なパターンを会話していきます。

ということは、育休スタート日の把握が女性と違って難しいのですね

池田
池田
先ほどお話ししたように、チームの再編成などにも助けられて仕事の引き継ぎは問題なくできたのですが、生まれた日に育休がスタートするため、事前に予定が立たないことには少し気もそぞろになることがありました。

実際に育休期間がスタートしてからは、どんな風に過ごしましたか?

池田
池田
家事と育児に取り組んでいました。
献立を考えたり、栄養バランスに配慮したりと、料理のカンを取り戻すのが少し大変でした。

3ヶ月間の育休から復帰が近づいてきた頃には、なにか準備をしましたか?

池田
池田
生活リズムを戻すことです。

ちょうど子どもたちの新学期が始まったので、子どもたちの面倒を見つつ、定時には仕事を始めることができるように、家のことを調整していきました。

とって良かった育児休業。復帰のポイントは信頼とコミュニケーション

復帰を受け入れる側として、何か準備はしましたか?

紙岡
紙岡
チームの編成は大丈夫だったのですが、復帰後にお渡ししようと思っていたお仕事の状況が色々変わる真っ最中でした。

ただ、育児休業前の池田さんの仕事ぶりを見ていたので、特に何も心配することなく、戻ったら特別なことは何もせずに普段どおりに渡すことにしました。

池田
池田
実際、休み中のブランクが少し心配ではあったのですが、戻ったらいきなり仕事を渡されたことで、こちらもすんなりと切り替えることができたように思います。
阪田
阪田
組織は常に成長を続けています。

復帰後の状況は育休に入る前に想定していた通りではないことも少なくありません。

それから、実際に子どもが生まれてみたことで、本人が直面する状況などによっては、育休期間を延長することも稀ではありません。

会社・本人両方の変化の中で本人の意向に沿うことができるよう、面談や復帰のためのオンボーディングを実施しています。

池田さんは以後もSPIDERPLUS開発で活躍中ですが、育児休業を取得したことについて、改めてどう感じていますか?

池田
池田
育休をとって良かったと思います。

0歳から1歳は成長速度がものすごく早いです。
その時期の子どもと向き合えるのはとても貴重なことだと思っています。

それに、この先同じチームや部門で育児休業を取ろうか考えている人がいたら、心配せずに取ってみるといいと思います。

阪田
阪田
出産や育児の問題は、ジェンダーの違いによる賃金やキャリアの格差と関係が深くなりがちです。

男性が女性と同じように育児参加をすることにより、女性が仕事に復帰したり、ライフステージ変化の影響を一身に背負うことなく、両立することができるようになります。

 

また、男性と育児を分け合うことができれば、その分精神的な余裕を確保することができ、少し長期的にキャリア形成を考えることもでき、仕事に向き合いやすくなるのではないでしょうか。

こうした考えから、男性が育児休業を取得することは、結果的に女性のキャリア形成の一助にもなると思っています。

お話を聞いていると、制度を活用することはもちろんですが、
その前提として仕事を通じた信頼関係ができていたことが、育休取得と復帰に当たっては大きいですね。

紙岡
紙岡
そう思います。

仕事ぶりを通じてどんな方なのかは分かっていましたし、それがあったからこそ、復帰後にどんなことをお願いするかも見据えることができたと思っています。

会社ができること

最近では男女問わず育児休業を取得する動きが広まる一方で、育児休業中に転職活動をしてしまうケースもあるようです。
HRとして、育児休業に際してはどんな取り組みをしていますか?

阪田
阪田
まずは、本人としっかり会話をし、コミュニケーションの機会を設けています。

育休前、育休中、復帰前、と、それぞれの段階は働くことや、人生そのものに対して考えが変わりやすいタイミングでもあると思います。

キャリアについて見つめ直した末に転職活動をしてしまうのも、そういう背景があってのことと思います。

 

育児休業中に保育園入園がなかなか決まらないケースもあるのですが、会社としては、そうした段階ごとにコミュニケーションの機会を絶やさないことで、サポート体制や、復帰後の期待や活躍期待をお伝えするようにしています。

そうすることで、育児休業中であっても、スパイダープラスでのキャリアイメージを明確に持っていただき、ライフイベントの中でキャリアを諦めたり不安にならないようにサポートしていけると考えています。

 

スパイダープラスでは2週に1度、全員が上長と1on1をしますが、普段のコミュニケーションの積み重ねがあるからこそ、途中で育児休業を取得して一時的にお仕事から離れる期間ができたとしても、長期的なキャリアプランを共有することができています。

こうした普段の取り組みによって、キャリアイメージを明確に持つことができ、中には育児休業中に資格取得によって更にスキルアップして復帰した社員もいます。

それは凄いですね。
男性の育児休業取得は珍しくないスパイダープラスですが、この先、制度をどのように活用していきたいですか?

阪田
阪田
この体制を整えてからまだ半年ほどです。

まだまだブラッシュアップの余地があると実感しています。

池田さんと紙岡さんの場合は日頃のコミュニケーションの積み重ねによって、会社や部門が本人に期待する役割をしっかりお伝えし、共有することができていました。

 

どの社員に対しても、ライフステージの変化や本人のキャリアに対する考えをサポートしていくことができるよう、部門と本人とのコミュニケーションのあり方などをさらにアップデートしていき、選択が実を結ぶように支援していきたいと考えています。

 

例えば、職種によっては出社して対面のコミュニケーションが基本だったのが、育児と両立するために本人の働き方をリモート主体に変更するケースや、時短勤務を希望する社員もいます。

誰もが初めて経験することに見舞われている中で、本人もチームも安心して働いていくことができるようにサポートしていこうとしています。

理想の実現に寄り添うこと

お話を聞いていると、出産や育児というイベントに際したことではありながら、一人ひとりがどのように働いて、
まずは本人が一人の人間として満ち足りて生きていくか、ダイバーシティという概念もその集合で成り立つのだなと感じますね。

阪田
阪田
会社としてはキャリアの停滞を恐れることなく、安心して一人の人間として生きることを当たり前のことと考えています。

 

子どもを持ちながら仕事をすることや、出産に際して男性が育休を取得することはなんら不思議なことではない、自然な選択肢という風でありたいのです。

育児休業から復帰したあとでも育児は続きますし、様々なライフステージに立つ、全ての従業員に歩んでゆくキャリアと人生があります。

 

普段目の前の仕事に全力で取り組むことと同様、仕事を離れたところにある一個人としての考えや選択に対し、会社が向き合うことで、お互いに成長していくことができますし、一人の人間として満ち足りて生きることがもっとできるようになります。

こうした考えのもと、常に一人ひとりと向き合い、休業等により職務を離れる時期を挟んだとしても、復帰した後の新たな人生像をできる限り明確に描くことができる様に、本人や上長を含めてチームとして向き合っていくことが重要だと思っています。

 

これからも一人ひとりがいきいきと働き活躍し続けることのできる組織を目指して、制度や仕組みをさらに整えていきます。

ありがとうございました。

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