AWS Dev Day 2023 Tokyo 参加レポート
皆様こんにちは。
2023年6月22日から23日に東京で開催されたAWS Dev Day 2023 Tokyoに、スパイダープラスは初のセッション登壇を果たしました。
セッション登壇を決めた背景
スパイダープラスが建設DXの事業に取り組んで10年以上が経過しています。
人手不足などの業界課題が継続していることに加えて、大規模な社会イベントの影響による建設需要の高まり、そして2024年に予定されている法適用など、建設業を取り巻く様々な背景のもと、お客様とともに築き上げてきた建設DXの流れは当初の予想を越えたものに育ちました。
これまでスパイダープラスでは、プロダクトを育てることと、顧客の課題解決スピードをより早くし、そのための開発組織を強固なものにすることに全力投球しておりました。
スパイダープラスでは、「良いチームがお客様の課題を明確にでき、それを解決できるのが、良いプロダクトだ」と考えております。
そのためには、技術者一人ひとりが長期的に顧客の課題に向き合い、健全に活躍できる文化や仕組みを用意し、エンジニアの増加と課題解決のスピード、質の非連続な伸長を可能とする組織構築に注力していました。
そういう環境を作ることができたからこそ、元からいる人材も、新たに加わった人材も、それぞれが建設DXという前例のないものに対してとにかく夢中で取り組むことができ、そうすることが当たり前の組織に育ってきたと、確信するようになってきました。
その一例として、顧客の声をエンジニアが主体的に、直接聞きにいくことが珍しいことではなくなり、エンジニアが主体となってプロダクトをより良いものにしていく当たり前のことができる開発組織になってきたのです。
早く・安全に・高品質なプロダクトを作る開発組織を育てる取り組みには「完成系」はなく、まだまだ道半ばである、というのが正直な認識です。
その一方で気づけば会社が「SaaS上場企業ARRランキング2023/5版」でTOP25 位にランクインしておりました。
こうした背景のもと、スパイダープラスの事業成長や今後の展望にも目を留めていただくことが出てまいりました。
スパイダープラスは、AWSのようなグローバル企業をパートナーとして巻き込むことができれば、さらに高次元の課題解決を一緒に進めていくことができる、と信じています。
開発組織を強化できたことと、強いパートナーを得て、自分たちがどんなことをしているかを明確に言語化し、自分たちの言葉によって、新たな人との繋がりに対しても主体的に動き、プロダクトを誰も見たことのないようなスケールにまで一緒に育てて作っていくことを目指して登壇、発信することを決めたのでした。
当日の様子
「新たな時代をリードする開発者の皆様のためのテクニカルカンファレンス」と銘打っているだけのことはあり、登壇した前後や、同時間帯に開催されている異なるテーマのセッションの顔ぶれは、テック産業で働く人間ならば知らない人はいないサービスを手掛ける方々が並び、身体が1つしかないことを悔やむほどでした。
セッションダイジェスト
「初挑戦!コンテナを用いた、建設SaaSでのサービス品質向上への道」
登壇:紙岡保(かみおか たもつ)
スパイダープラスのプロダクトGでゼネラルマネージャを務める紙岡は、建設業への従事経験やテック産業の経営などを経て、2022年1月よりSPIDERPLUSの開発を率いています。
建設とデジタル産業の両方に身をおいた視点から、SPIDERPLUSが建設業になぜ必要か、を業界課題である長時間労働の状態化や人手不足の継続、そして2024年に予定されている法適用を踏まえて説明します。
SPIDERPLUSは2011年からサービスを提供していますが、建設業界、とりわけ現場でのタブレット利用が現在のように盛んではなかった頃と、法適用まで1年を切った2023年6月時点とでは弊社に求められる対応速度が全く異なること、そのためには開発環境が日々増していくスピード感に耐えうるものである必要性について話します。
そこから
- リードタイムを短縮できること
- デプロイ時間の短縮
- ストレージの負荷分散が可能なこと
これらの条件が必要になり、Webアプリの実行に必要なものを集約し、即時性も高い「コンテナ」の導入へと至ります。
SPIDERPLUSは建設現場の仕事に長くつきものだった手間や段取りを削減し、業務効率をあげることを趣旨としたサービスですが、開発環境を刷新したことにより、サービス同様に開発効率については
- 3日を要していた構築作業時間は2時間に、
- デプロイ作業は2時間から5分、
とそれぞれ大幅な時間の短縮が実現したのです!
開発チームでは、建設現場におけるデジタル活用をめぐる状況の変化につれて、運用効率と開発スピードを向上させることを見据えて、様々な課題にぶつかりながら取り組んでいます。
今回のセッション登壇によって、初めてプロダクト開発の技術的な背景や具体的な取り組みをお話することによって、改めて自分たちがどんなことを目的として日々業務に取り組んできたのかを総ざらえする機会にもなりました。
Dev Dayでは登壇後にAsk me(※質問して、の意味)コーナーで待機していると、セッションをお聞きになった方が尋ねて直接コミュニケーションをとることも可能です。
実はこの日、紙岡は会場入りしてから自身の登壇に全ての集中を傾けて過ごしていたのでした。
スパイダープラス社として初の登壇と、普段あまり表に出さない情報を出し終えたことで、ようやく安堵の表情を浮かべていました。
本人に感想を聞いてみたところ
「準備はしてきましたが、いざ本番で喋ってみると時間が余ることに気づきました。
途中でスローな喋りをしてしまったため、オーディエンスは間延びしたように感じたのではないかと、反省しています。」とのこと。
ご来場の方からは「課題と取り組みについて、ご自身の言葉でお話していることに感服しました」という感想が寄せられていたことをこの場に残しておきたいと思います。
登壇者のタイムテーブル
11:00 会場入り
11:15 セッション会場で音声映像のチェックに立会い
11:20 控室に移動し、プレゼン資料を確認しながら話す内容をチェック
12:30 休憩
13:30 控室に戻ってプレゼン内容の再々確認。何度でも確認。
15:40 控室から移動
16:00 登壇
16:20 セッションが終了し、緊張感からの解放
Ask meコーナーに移動し、ご来訪の方や、同じくイベントにご参加の方たちとコミュニケーション
今後の展望
セッションでお話したことからダイジェストでお伝えいたしましたが、スパイダープラスの開発チームではまだまだたくさんの課題と対峙して業界課題の解決に貢献しようとしています。
例えば、メンテンナスをより最適化することを目指し「処理部分離の検討」、そしてサーバ上のリソースに余剰を保ちながら進めていけるよう「クラスタークエリ言語を活用した均等化」などの課題が目の前に挙がっています。
そのためには、最適な技術の選定とそれの応用によって生み出す価値をデザインすることが重要だと考えています。
2つ紹介しますと、
あたりまえの技術をあたりまえに活用すること
SPIDERPLUSはユーザー体験をもとに開発しているプロダクトです。
エンジニアが主体的に動いて、自ら現場の課題を得て結実させていくことが、プロダクトづくりに直結しています。だからこそ、どの言語で開発するか、ということを選ぶに際しても、ビジネスとして最適であるかどうかを判断した結果、選択に至るのです。
新たな技術潮流は毎日生まれますし、そのどれもがとても興味を惹くものではあるのですが、「何のために」開発するのか、ということにいつも軸足を置いて技術を活用することを忘れずにいたいと考えています。
顧客の期待を超えた圧倒的なスピード提供
前述の「判断の結果、そして選択」はプロダクトそのものです。
ビジネスとして最適であるためにはスピードも重要です。
現場業務の効率化のためには顧客に提供する価値を生み出す側の現場もまた、足元の効率化がうまくいっているかを厳しく見続ける必要があります。
最適な技術の活用とAIや自動化の技術によって、トータルのコスト効率化をさらにはかり、圧倒的なスピードで価値を提供することができるようになれば、SPIDERPLUSというプロダクトをめぐる、開発側とお客様とを結ぶ輪は幾重にも大きなものに育つはずです。
建設業界の課題解決に対して少しでも興味を持ったら、スパイダープラスにAsk me!してみてはいかがでしょう。
iOS/ Webエンジニア、インフラエンジニアの皆様からのお気軽なコンタクトをお待ちしております!
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