【SPIDERPLUSと女性たち】vol.3 新菱冷熱工業ー現場編ー
仕事に誇りを持つことの輝き
『さわやかな世界をつくる』
シンプルでありながら、とても難しいことへの追求を行う新菱冷熱工業株式会社様。
空調・電気・環境衛生装置・コージェネレーションといった全ての人の幸せの土台にある【環境づくり】を牽引している環境エンジニアリング企業だ。
「さわやかな”世界”をつくる」という言葉通り、日本国内のみならず海外も含め、あらゆる環境を快適な空間へと構築していく。それを可能にしている技術力と育成力は業界トップクラス。そんな世界をもリードする企業で活躍されている女性達はどんな方々なのだろう。今回は活躍の秘訣を伺うため、現場までお邪魔をした。
お話を伺ったのは、都市環境事業部で活躍されているお二方
・日比野 菜穂 様 都市環境事業部 主務 (画像左から2番目)
・岩田 実希 様 都市環境事業部 主務 (画像右から2番目)
※撮影時のみマスクを外しています
建設・設備はずっと身近なものだった
「小学校2年生のときに、自宅の建て替えをしたんです。建替えられていく工程を見て、どんな家になるんだろうと楽しみにしていたとき、はじめて家の構造図を見てワクワクしたことを覚えています。思えばそれが建物の構造・設備といった内部に興味を持った最初だったかもしれません」そう話してくれたのは、入社4年目都市環境事業部主務の岩田実希さん。
「大学生のときに、当社の名古屋支社設計部長が、私が通っていた大学で非常勤講師をしていて、その講義内容に魅せられ、やはり建築設備の仕事がしたいと感じ、新菱冷熱への入社を決めました」と、この仕事を目指した話が続く。そんな彼女は、まさに仕事の波に乗っているという表現が似合う晴れやかな表情だ。全身から毎日の充実度が伝わってくる。
この岩田さんを、温かな目で見守るようにしながらインタビューに答えてくれたのは、都市環境事業部主務の日比野菜穂さん。3年間の設計部経験を経て、現在は技術部に在籍して3年。大規模な建設現場で、仕様書や官庁への届け出書類を一手に引き受けている。これだけの規模のデスク関連となれば、数も質も相当なものであることが想像できる。そのデスクワークをこなせる自信は、新卒時代にきちんと組まれた研修、そして設計部時代の経験と技術部に異動してからの実績からきている。
日比野さんは言う。「私にとっても建設設備というお仕事は身近なものでした。というのも父が同じ業界の仕事をしていたので、子供の頃から『あのビルはお父さんが関わったんだ』という話を聞いていました。就職をする際の相談にも乗ってくれました」この業界の大先輩であるお父様の存在から、現場での大変さと面白さは、入社時点で既に理解していたのかもしれない。
文字通り『地図に残る仕事』を自分たちの手で
自分が関わった仕事を目に見えて感じることができ、さらには人々の暮らしを豊かにしていく。その偉大さと達成感は計り知れない。それにはこんなお話からも強く感じられる。
『今年結婚式を挙げたんですが、実はその場所は、新卒1年目の時に関わった施設だったんです』そう言って笑顔を見せる日比野さん。こんなとっておきのエピソードを伺い、インタビューの空気が一気に華やいだ。このお仕事は、街中を歩きながら「この建物もあの地域も自分が関わったなぁ」と感じることは多々あるのだろうと思っていたが、その空間を一生の想い出の場として選べるということは、自分の仕事に誇りを持ち大切にしている証。まさに「地図に残る仕事」だけでなく、「心に刻まれる仕事」をされていることを物語っている。
社員目線で作られる生きた制度
「私は4歳から英語に親しんできたので、大学で学んだ建設を軸に、英語を活用した仕事がしたいと思い新菱冷熱に入社をしました」と話してくれた岩田さんは、もう海外転勤の異動願いを出しているという徹底ぶり。そんなお話を、傍らでインタビューを見守っていた人事部の方々が和らいだ表情で頷いている。
そう、自分のやりたいことをきちんとやりたいと言える環境と、それをバックアップする体制が存在するのだ。
岩田さんのような長年の希望を適えていくための制度のほか、ライフスタイルを考慮した「カムバック制度」や、家庭に配慮した「配偶者帯同転勤制度」など、驚くほどのラインナップだ。「配偶者帯同転勤制度」とは、社員の方がその配偶者の転勤に帯同する際は、配偶者の転勤地域にある新菱冷熱様の支社へ、転勤を願い出ることができるという制度だ。“全国展開されている大手ならでは”ということと同時に、キャリアを分断することなく、磨かれたスキルを活かし続けて欲しいという会社からのメッセージではないだろうか。
制度とは、ついつい形骸化してしまいがちではあるが、ここ新菱冷熱の制度は、企業目線ではなく社員の立場に立ち、社員が実際存分に使うことができる制度になっているようだ。
数々の制度だけでなく、新菱冷熱を代表するものに研修寮がある。
業界の方々からは、「新菱さんの『耕風寮』」と有名なほどだ。新入社員は全員この寮で1年間を過ごす。
「毎年どんな女性新入社員が居るのか、寮役員に訊いています(笑)」とは日比野さん。技術部にどんな方々が配属されるか、やはり気になってしまうそう。そこからは、まだまだ多くはない女性社員を先輩としてフォローしていこうという、温かな覚悟が溢れている。
様々な制度で社員の働き方を応援していく会社と1歩先を歩みながら、後から続く後輩たちに背中を見せ、実践で導いていく心強い先輩。
日比野さん・岩田さんが「新菱冷熱は“女性が活躍している会社”、“グローバルな展開をしている”会社です」と話す背景には、この会社の姿勢と頼もしい先輩の存在があることは間違いない。
みんな同じ方向を向いている
働きやすいように制度という形で会社がバックアップする成果は、こんなところにも表れている。現場には、様々な役割を担い、技術を持った方々が多くいる。関わる企業の数も1社2社ではない。関わる方々が多くなればなるほど、意思疎通や指示の周知は難しくなる。それでもここ新菱冷熱様の理念と教育、仕事に取組む意識確認は徹底され、会社からのメッセージがきちんと届いている。
その証拠に、「現場で他企業の方々から『新菱冷熱さんは皆さん同じ方向を向いていますね』という言葉が多く聞かれる」と日比野さんは話す。どこで誰と話しても、同じ目的や結果を共有し、同じ方向に向かっていく姿勢は、会社が常に旗印を掲げ、社員の皆さんが理念を理解し仕事に励んでいるから他ならないのではないだろうか。
成長を見守ってくれる環境
この先、建設設備の業界でどのような活躍をしていきたいかという質問に対しての回答を伺い、“業界で”ではなく【この会社で】成長し頑張っていきたいと思っている様子が、とても強く伝わってきた。
「新菱冷熱は、やっていることを理解し認めてくれる環境があります。『これが出来るようになったから、次はこれをやってみようか』と1つ上の課題を提供してくれるんです。任せてやらせてもらうことで成長していくことが出来ています」と日比野さんは力強く語る。
「そうなんです。成長を見守ってくれている会社です」と岩田さんも答えてくれた。日比野さんのお話はさらに続き、「実はこの次に担当する現場が決まっています。
今の現場で得た知識や経験を、次の現場でも活かしていき、次に次にと自分の成長を感じ取っていけることがとても嬉しい」と笑顔を浮かべる。
「女性はライフイベントでキャリアを分断せざるをえなかったり、今まで通り働けないときも出てくるかもしれないですが」そんなこちらからの質問にも、「どこまでやっていけるか、自分と家族と相談しながら出来ることをしっかりとやっていきたい。
女性の負担が大きくなる場面は多々あると思うけれど、そこはしっかりとコミュニケーションを取り、男性の働き方を変えていくことも大事だと思います。会社でも家庭でも、男性の働き方や今までの常識を変えて、互いに働きやすい環境をつくっていきたい」(日比野さん)こんな頼もしい意見が聞こえてきた。
そして岩田さんのように、海外赴任を経験し、日本以外の女性の働き方を吸収し、帰国後、新たな働き方を構築していってくれる存在もあるのではないだろうか。
二人のモットーは、【笑顔】【コミュニケーション】【なんとかなる!と考えて進んでいく勇気】とのこと。
このモットーが最高の形で活躍の土台を作っている。そして、「先輩達が見本を見せてくれたり先輩から学んだことを、後から入ってくる女性社員に教えたいし、道を作ってていきたい」(日比野さん)という言葉には、『恩送り』の文化も根付いているように感じた。
新菱冷熱が作る『柔軟な働き方を支援する制度』や『どんな人財や環境下でも活躍できるよう考えられた社内風土』そして『業界でも有名な寮生活で培った仲間意識』さらには『社員同士がつくり出す恩送り文化』。これが確かな技術力と共に業界をリードするエッセンスになっている。
インタビューを終え、彼女達から何よりも強く感じるのは、【仕事に誇りをもっている】という姿勢だった。自分の仕事が好きな人は多いが、そこに〝誇りを持つこと“は簡単なようで実は意外と難しい。だが新菱冷熱の方々から放たれるオーラは、自分自身の仕事に・会社に誇りと希望を持っていることが心から伝わってくる。次回はそんな力や自信を持てる社員を採用し、育成していく人事の方にお話を聞いてみたい。
□取材日:令和4年12月26日
□取材場所:都内現場事務所
【執筆者】
下地くにこ
一般社団法人ウーマンズキャリアプロデュース協会代表
総合商社・広告代理店にて17年間人事業務に従事後、2015年独立。
中小企業を中心とした【社外相談ルーム事業】の他
数社の社外人事を兼務。相談人数は2,500名以上。
また、企業取材のファシリテーターやキャリアコンテストの審査員・講師を歴任。
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