2021.11.24

業界全体の地位向上を見据えて〜福知山市、西田工業様の人材育成に迫る

皆様こんにちは。
プロダクトサイト、spider-plus.comでは、先ごろ西田工業様の導入事例インタビューを公開いたしました。インタビューで社長の西田吉宏様や建築部を統括する福田隆雄様から伺った、同社の来歴や人材育成制度に関するお話は、業界の価値を長期的に見据えたもので、これはぜひとも多くの方の目に触れさせなくては…と思ったのです。
このたびSpiderClassに載せる許可をいただきました。一部プロダクトサイトの導入事例インタビューと重複する箇所もございますが、スパイダープラスの事業がどんな人達によって支えられているか、業界理解の一助としてどうか最後までお読みください!

お話:西田工業株式会社 社長 西田吉宏様(画像向かって右側、文中ではN)、建築事業本部 福田隆雄様(画像向かって左側、文中ではF)

N:当社の歴史は古く、福知山で創業して今年で112年を迎えます。私は6代目の社長として2018年から会社の先頭で経営に携わっています。当社は『死角となる分野を設けない』というのを経営指針としていて、土木にも建築にも携わっています。

一言で建築・土木といっても、戸建てのリフォームから大規模な工場建設・道路工事まで幅広く請け負っています。

建設業界は時代によってニーズやトレンドが変化します。ある特定の分野に特化することは、強みを作ると同時にそのほかの分野に弱点を作ることになってしまいます。顧客の要望に応え続け、長い付き合いをするためには、自社で様々な案件にくまなく対応できる、つまり何でも作ることができる技術力が必要だと思っています。

現在、当社に在籍する社員は96名。建築現場を指揮する現場監督は30名でそのうち28名人は新卒で入社しています。社員の定着率は非常に高い傾向にありますが、それは、私たち経営陣が建設現場で働く社員を、ただの現場員とは思っておらず、「ものづくり」の日本代表だと思っていることに起因していると思います。私たちは建設業をかっこいい業種と位置づけて、現場監督の地位向上を目指しているのです。

F:当社では、7年目以下の現場監督を対象に現場の開始時期と終了後「アビリティシート」(個人のスキルカルテ)、「キャリアシート」(経歴書)の記入をして、上長との面談を交えながらのキャリア形成を行っています。又、現場終了後は現場監督と私が面談し、習得した技術と、設定した目標に対しての習得度を振り返り、今後の配置や担当する業務などを決めていきます。

また現場所長クラスの先輩社員が講師となり、月1回施工に関する勉強会を実施しているのも当社の育成プログラムの特徴です。現場で覚えたことを言語化し、教えることでさらに建築業務への理解を深めることができるのです。

今年で入社8年目となり、育成プログラムを終えた社員が、今では当社を支える現場の所長として第一線で立派に活躍しています。

N:当社では、土木の施工監督を5年、建築は7年かけて一人前を目指す育成プログラムを2014年から実施しています。入社後は6か月間、他部署業務や各現場を経験する「ジョブローテーション」後、本配属する中で木造建築・鉄筋コンクリート・鉄骨造・新築工事・リノベーション案件など、多様な経験を積んでもらい、7年かけて社員をオールラウンダーに育てる取り組みをしています。

マンションだけ、ホテルだけと仕事を限定してしまうと、挑戦する喜びも限定的になってしまいます。当社には「ものづくりの楽しさ」を目指して入った社員が多いですから、入ったからには「ものづくりの良さ、楽しさ」を忘れないで欲しいと思っています。

N:また、経営者として従業員のストレスの軽減は最優先課題と捉えていて、それがシステムの導入によって解消できるのであれば、コストを掛けても導入する価値が充分にあると思います。

現在、私たちは働き方についてもシビアに考えています。社員に残業や負担を強いることで、短期的に業績が伸びたとしても、長期的に考えれば従業員が離れていき、会社にとっても、社会にとってもマイナスになります。建設業界は災害復興や地域の活性化など重要なミッションを抱えており、これほど重要な業種はないと私は思っています。その業界が仕事の意味や内容、そして社会に貢献しているのだというメッセージをしっかりと社員や世間に伝え「建設業はカッコいい」というイメージを打ち出し続け、次なる担い手を育てていくのは大切なことです。

そのためにも当社は作業効率化を含めた建設業のDX化を進めています。現在はSPIDERPLUSの導入と同時にRPA(※ロボティック・プロセス・オートメーション)も推し進めています。働く環境を最先端でかっこいいものにしたいのです。ものづくりを行なう現場監督がかっこよくなければ、人は集まりません。

当社だけでなく業界全体で現場監督の地位を向上させることが、今後の建設業界のよりよい未来を創ると思っています。

建設業だからこそできることは多くあります。地元のゼネコンだからこそ知っている情報があり、また、解決しなくてはいけない課題なども熟知しているからです。建設会社は地元と強固なコネクションを持っているため地域とともに賑わいを作りだすことも可能なのです。そのような地域や関係者を巻き込んで地域の活性化につながる事業を行うためにも本業である建築業はスマートな仕事でなくてはいけません。


インタビューは以上です。

2021年はDX元年と呼ばれていますが、DX、デジタルトランスフォーメーションを提唱したとされるエリック・ストールマン氏は「情報技術の浸透によって生活をよい方向に変化させる」ということを論文 “INFORMATION TECHNOLOGY AND THE GOOD LIFE” で書いています。西田社長のお話は、DX推進の目的がとても明確で、長期的な価値形成を見据えた制度のお話にも、働くとはどういうことなのかを今一度確認させられた思いでした。

2021年10月に国土交通省が発表した建設投資額見通しも前年度比で2.9%増の見通し、とこの業界はまだまだ非常に大きいです。ご一緒に大きな市場で「働く」にもっと「楽しい」を創造していきませんか?

※西田工業株式会社様のウェブサイトはこちら

※DXを提唱した、とされる論文はこちら(英語ですが、1ページめのAbstractだけでも機械翻訳などで読む価値があります)

※スパイダープラスの募集職種はこちら

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