成功の反対は失敗、ではなく何も挑戦しないこと〜大鎌社長に聞く組織運営や若手活躍の背景

皆様こんにちは。

プロダクトサイトでは、様々なお客様の取組事例を紹介しておりますが、その中でも屈指の大きな反響があったのはSPIDERPLUSを活用して部門合計での月間残業時間が約100時間という大鎌電気様です。
同社の大鎌社長が先日スパイダープラスの本社にお見えになった際、組織運営に関する考えや、若手の活躍が目立っている背景についてお話を伺いました。

ー既に公開済みの導入事例インタビューでは、SPIDERPLUSをフル活用して月間100時間近くの残業削減に成功、とのことで未だ大きな反響が続いています。
大鎌社長(以下O):ありがとうございます。

ー今日は大鎌社長に組織運営に関するビジョンなどを時間のゆるす限り伺います。
SPIDERPLUSの導入以外にも、デジタル活用にも熱心な印象がありますが、どのような考えのもとに進めていらっしゃるのでしょうか。
O:例えば会社の経営成績が悪くなると、経費削減をします。そのほとんどは人件費です。人件費を縮小すると、一時的にはコストカットになって利益も創出できるかもしれません。ただ、5年10年と経過していくと明らかに規模が縮小して、その分売上も減ってしまいます。部分最適でしかありません。新しいことに着手するためには、固定費をアップさせて、売上も伸ばして、多くの粗利を出すことをすればいいと考えています。そうした考えのもと、必要な投資はきちんと行なう方針で進めています。

ー貴社では若い方が中心となってSPIDERPLUSをフル活用していらっしゃいますが、今お話してくださった考えがあるからこそ、動きやすいのでしょうか。
O:そうですね。まず試してみて、ダメなら後から直すこともできます。
私は失敗することはダメなことだとは思っていません。成功の反対は失敗、ではなく何も挑戦しないことだと思っているのです。成功して物事がうまくいくのは良いことですが、なぜうまくいっているかを考えたり、掘り下げたりせず、そのまま進んでしまいます。実際は成功の背景にも再現性があるものですが。
失敗を経験するとそこから何が原因で、どうすればよかったのか、たくさん学ぶことができます。
仕事でも、失敗してもいいから「とにかく試してみて」何かあったらこちらが責任をとるから、と言っています。

ー2年前に(2020年)オンラインの打ち合わせで初めてお目にかかった際、SDGsへの取り組みやフリーアドレス制などが既に行なわれていることにとても驚きました。
O:それらも実は、様々な試行錯誤の歴史でもあったのです。

ー気になります。もう少し詳しくお聞かせくださいますか。
O:今の会社は私で3代目です。元は関東にいてメーカーで仕事をしていたのですが、ある日父から突然会社を継ぐことになったのです。持病もなかったのですが、本当に突然引き継がなくてはならなくなりました。母が少し手伝っていた以外には親戚も含めて会社のことは誰も知らない状況でした。当時会社で働いていたのは5名だったのですが、まずは私自身も会社のために様々な資格を取得するために勉強し、最初の2年で必要なものを全て取得しました。実際に現場にでて、監督業務も経験しました。
その中で色々と新たに発見することがあり、会社の制度や環境を整えていくことにしました。働く社員には幸せを感じてほしいですし、きちんと信頼しあって事業を続けていけるように、との思いからです。

ーそれは素晴らしいですね
O:私自身もその後、今度は経理などの勉強をするために夜学校に通ったりもしました。2016年には国連にSDGsが採択されたり、経産省の健康経営が出てきたり、世の中に大きな動きが出だしてきました。DXも重要ですが、歳をとってからも働くことができる環境や制度も重要だと考えて、必要な取り組みは全部やるのだ、と思ったのです。例えば大鎌電気ではGLTD保険なども福利厚生に入れています。
それ以外にも技術的な方法はかたっぱしから取り入れました。ところが、社員からは好意的に受け止められていなかったのです。

ーどのような点でしょうか…。
O:外側だけを整えるだけではなく、腹を割ってどういうことを目的に制度や環境を整えているか、などを社員たちと話したり、彼らからも率直に話してもらうコミュニケーションが足りていないままに行なっていたからです。
こちらは完璧なものを作ろうと思って取り組んでいたのですが、気づいてみると、私一人だけが忙しくしていたのです。一方的に幸せを願っているだけでは実を結びません。
彼らから出てきた声は「怖い」というものでした。
そこで、とにかく皆さんの健康と幸せを願って、制度を整えようとしているし、このままよい関係を築くことが出来ないまま離れていかれるのは私もそれが怖い、と正直に話して、そこからコミュニケーションが始まりました。
こちらが腹を割ったことで関係が改善していきました。社員がそれぞれ話してくれるようになったのです。良いだろう、と思うもので社員を逆に縛り付けていた、と気付かされたのです。
何事もそうですが、まずはコミュニケーションをとることによって目的を共有して、分かってもらうことはとても重要だと感じています。

ー5名の皆さんは今もご活躍ですか。
O:そうです。現在は社員数も22名まで増えているんですよ。

ー様々な経験から、お互いに一人の人間として信頼し合いながら事業が続いているのですね。これから若い方がまだまだ加わると思いますが、デジタル活用は、そうしたこれからの若い方にも有効だと考えていらっしゃいますか。
O:若い人たちが興味のあることは新しいことです。私自身も若かった頃は新しいことに興味がありました。SPIDERPLUSも仕事で100%役に立っていますが、就活生などにこういう機器を使って、「社員のことを考えて、少しでも仕事がラクにできるよう導入しているんだよ」と話すと、彼らが目を輝かせます。自社の仕事に役立てるのを50%としたら、残りの50%は未来のために使うのも1つの方法だろうと考えています。
昔は私のほうから新しいものを探して提案していましたが、最近は若い社員から自発的に提案してくれることが増えました。誰にとっても自分の人生を生きているわけなので、幸せになるように働いてもらいたいですし、それが積み重なってチーム、会社としてもよい集団となることに繋がると思います。
SPIDERPLUSなどのデジタル活用も、そうした目的に対する手段として位置づくと考えています。

ー背筋の伸びるようなお言葉です。本日はありがとうございました。

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