お客様の声を起点にした機能開発で多数の特許を取得。業界No.1のプロダクトを目指すスパイダープラスの知財戦略とは

こんにちは! 建設現場のDXアプリ『SPIDERPLUS』を開発・販売するスパイダープラスの採用広報の樋口です。

 

2011年にプロダクトをリリースしてから10年。これまでに、お客様のご要望をもとにさまざまな機能を実装してきました。2022年からは、市場におけるプロダクトの独自性と競争優位性を高めるため、知財戦略の取り組みを本格的に開始。現在までに、多数の特許取得を実現しています。

一連の知財戦略は、プロダクトや会社にどのような未来をもたらすのでしょうか。取締役の川合が進行役となり、知財戦略を統括する谷口さん、特許の発明実績を持つ営業部の倉邉さん、事業推進を担う勝部さんと対談を実施しました。

※本文中で言及する特許内容の機能実装については決定次第お知らせしてまいります

 

▶谷口 将仁 執行役員 知財責任者

上場企業からスタートアップまで、複数社のCIPO(最高知財責任者)を歴任。株式会社MyCIPOを設立し国内唯一のレンタルCIPO®事業を展開。2022年よりスパイダープラスに参画。知財戦略を統括。

 

▶倉邉 幹人 セールスG コンサルティング営業部 部長

通信会社の営業などを経て2000年に現在のスパイダープラスとなる会社へ参画。

現場で作業も行いながら営業や現場監督にも従事。

2011年から、アプリSPIDERPLUSの営業。

SPIDERPLUSの営業を始めてから、お客様の要望を集約し自身の経験を踏まえて、機能開発への要件とりまとめ。新機能リリース後に改善要望ヒアリングから開発への要件まとめや、社内への業界教育、年々増えている協会への登壇などに対応している。

 

▶勝部 公彦 事業戦略G 事業戦略部 事業推進T チームリーダー

医療・介護系SaaSの開発や金融系SIerのPM/PMOなどを経て、

2019年にスパイダープラスに参画し、現在は知財戦略推進等を担当。

 

▶川合 弘毅 取締役 執行役員 HR室 室長 

公認会計士として監査業務に従事した後、地方ゼネコンに入社し、以降は経営に参画。数社の上場企業などの社外役員も務める。2018年よりスパイダープラスに参画。現在は採用から教育、組織開発・人材戦略を統括。

 

※所属部署・役職など、記事の内容は取材時点(2022年12月)のものです

※本記事では会社名を「S+」、プロダクト名を『SPIDERPLUS』と表記をしております。

 

『SPIDERPLUS』の独自機能を守り、事業と会社の将来性を高める知財戦略

川合:今回は、S+で行ってきた知財戦略について振り返ってみたいと思います。

まず、このトピックを語るうえで欠かせないのは、2022年に執行役員として参画し、知財責任者を担ってくれている谷口さんの存在です。当初は、S+として知財に対する取り組みはほぼしていなかったので「そもそも、知財戦略とは?」という議論からスタートしましたよね。

 

谷口:はい。前提として、単発の「特許出願」と「知財戦略」は全くの別物です。知財戦略のデザインは、事業の「お客様が誰で、そのお客様に感じていただいている顧客価値は何なのか?」をきちんと言語化することから始まります。

その上で、顧客価値でNo.1になるための事業・プロダクトのアイデアを創造し、特許のポートフォリオを構築する。このプロセスが、業界において唯一無二のプロダクトを生み出していくことに繋がります。

つまり知財戦略は、顧客価値を基点に事業の競争優位性を確立する手段として、売上・株価アップ・有望企業とのアライアンスなどを実現し、最終的に企業価値そのものを向上させる取り組みなのです。

 

川合:そうですね。単にプロダクトを強くするのが目的ではなく、お客様に価値を感じていただけることがゴールだと思っています。営業部の倉邉さんに聞いてみたいのですが、知財戦略に本格的に踏み切る前は、現場で何か課題を感じる場面がありましたか?

 

倉邉:『SPIDERPLUS』のリリース以降、充実した機能をアピールしながら順調に営業活動を行っていました。しかし、次第に他社のプロダクトもどんどん進化しているのを肌で感じていたんです。そうなると、もう単純な機能比較だけでは、お客様に支持していただけなくなってしまう。そこで、ご利用いただくにあたってアフターフォローの体制を強化するなど、営業活動以外に導入後の支援にも力を入れてきました。

「SPIDERPLUS」が今後も機能を充実させていくにあたり、特許を取得していくことで過去に開発したものを守ることにつながりますし、プロダクトの未来をどんどん良い方向に向かわせていくだろうという期待を抱いています。

川合:知財戦略の実務を担っている勝部さんにもお聞きします。勝部さんは、一連の業務のどんなところに面白みを感じていますか?

 

勝部:開発メンバーをはじめ、プロダクトづくりに関わる全ての人が、安心して仕事に取り組める環境づくりに貢献できる点です。

知財に関する取り組みは、実は前職でも少し経験がありました。S+で本格的に業務に携わってみて、会社が生み出したアイデアや「お客様の課題を解決したい」という熱意が、「特許」という形で法的に保護されるのはとても良い仕組みだと改めて感じます。

「&Co.」の精神で、お客様の要望に応えるさまざまな特許を発明

川合:S+では、2022年までにさまざまな特許を取得してきました。特に印象に残っている取り組みについても聞いていきたいと思います。勝部さんはどうでしょうか?

 

勝部:事業へのインパクトが特に大きいと感じたのは、2つの特許です。

1つが、専門工事業者を対象にした新機能『SPIDERPLUS PARTNER』における、「施工体系図」を用いた建設現場における事業者間の作業指示/完了報告などの情報共有を可能とするタスクシステム管理の技術です。

 

谷口:具体的にどのような特許なのか補足しますね。大規模な建設現場では、100社くらいのパートナー会社と共に、施工をどのように分担するかを分かるようにした施工体系図が作成されます。

本特許技術が認められる前は、この施工体系図を確認する作業において大きな手間が発生していました。

たとえばエレベーターの工事箇所で指摘が入ったら、建設現場内の施工体系図が貼りだされている場所までわざわざ見に行って、「エレベーターの施工担当がどの会社の誰なのか?」を確認しなければなりません。さらに、その担当者がいる場所まで足を運んで、口頭でやり取りを行う必要がありました。いくら同じ現場内とはいえ、広い敷地です。多忙な建設作業において、移動をするのは非常に効率が悪いという課題があったのです。

それが本特許技術によって、プロダクト上で簡単に施工担当者を確認し、指摘内容を伝達することが可能となりました。つまりiPadで全ての作業が完結します。この技術がスパイダープラス独自の特許技術として認められたんです。

さらに分割出願を行い、施工体系図さえあれば『SPIDERPLUS』の製品上だけでなくSlackなどのコミュニケーションツールでも指示を出すことができるようになる仕組みでも特許を取得しました。

川合:プロダクトの重要な機能を保護できて、まさに先ほど勝部さんが言ってたような「自分たちで作ったものを自分たちで守れる」取り組みとなったのではないでしょうか。お客様もこの特許に関連した機能のリリースにとても期待を寄せてくださっています。

 

勝部:もう一つ印象に残っているのが、倉邉さんが発明された「BIM」に関する特許です。BIMとは「Building Information Modeling」の略称で、建設物を3次元モデルで統合表示させて、建設生産プロセスを効率化するものです。2023年度から、大規模な建設現場ではBIMでのデータ管理を原則とすることを国交省が検討するほか、民間の大規模現場でも先立ってBIMを導入するケースも出てくるなど、BIMの導入が浸透しつつあります。

S+では、3次元モデルであるBIMを2次元の建築図面に変換し、建築図面に対して工事進捗を記録した後、データの消失や断絶なく、再度BIMに変換し直すことが可能な技術を発明したんです。

 

川合:倉邉さん、発明の経緯をぜひ教えてください。

 

倉邉:ガイドライン適用前からBIM管理を導入していたお客様のご要望がきっかけとなり、本発明につながりました。そのお客様の建設現場では、2次元の紙図面を見ながら『SPIDERPLUS』上に写真やメモを記録するやり方で進めていたのですが、お客様から「現場で使っている図面とBIMデータを連携できないか」という依頼があったんです。

現場の施工担当者からすると、3次元モデルは情報量が多すぎて見づらいというデメリットがありました。平面の線で見たほうが、作業がしやすい場面も多いんです。そこで、BIMを見たい人はBIMのまま管理しつつ、現場では平面図の表示もできる技術を生み出しました。変換された平面図は、再度BIMに戻すこともできます。表示の切り替え機能で特許を取れたのは、市場におけるプロダクトの優位性を高めるうえで非常に効果的だったと思います。

 

川合:「現場では2次元による平面図のほうが見やすい」というお客様の声に寄り添う、営業部だからこその発想でしたね。倉邉さんは、S+のアイデンティティである「&Co.」、お客様と共にあろうとする姿を体現してくれたと思います。

 

知財戦略は、建設DXを手がけるトップカンパニーになる覚悟の表れ

倉邉:以前は知財戦略に明るくなかったので、特許の取得はコストが高くついてしまうのではないかと気がかりでした。知財責任者の谷口さんがいてくれたから、実現までたどり着けたと思います。

 

川合:経営の立場としては、私たちが建設DXにおけるトップカンパニーになるために、知財戦略は非常に重要な要素の一つです。ただ、『SPIDERPLUS』がPMF(プロダクト・マーケット・フィット)に至っていない状況であれば、投資の判断を見送っていたかもしれません。そういう意味で、谷口さんとはとても良いタイミングで出会えたと感じています。

 

谷口:S+は2021年3月に旧マザーズ市場に上場しました。現在は、グロース市場からプライム市場への移行を目指しています。大企業へと変貌を遂げるプロセスにおいて、知財戦略で業界No.1の競争優位性を確立し、企業価値を上げていくことが一つの条件なのは間違いありません。

 

川合:一つの特許出願から取得までをするなら、弁理士の方にお任せするのでもいいと思います。ですが、事業成長と紐づいた知財戦略を描くのであれば、やはり谷口さんのような専門家に力を借りるのが最適です。

社内で日々生まれるさまざまなアイデアを、より効果的な形で特許取得につなげる一連のプロセスに伴走していただける心強さは計り知れません。私たちも、安心して「さらに良いプロダクトを作っていこう」と思えるんです。

 

谷口:私から改めて伝えたいのは、「S+の知財戦略は、お客様のためにある」ということです。いわば、お客様が求めている顧客価値を提供するために、業界No.1を目指すという意思表明なんです。

 

川合:私たちが特許を取得せず、技術をオープンにしているほうが建設業界全体にとってはよいのかもしれないと考えることもあります。しかし、S+はどこよりも「お客様のため」を考えてプロダクトを作れるという自負がある。だからこそ、S+の持続可能性を高めるために、こうして知財戦略に取り組んでいます。他社に技術を真似されてしまっては持続可能にはなりません。現場の声をお聞きして、必要な機能を開発していくことは、私たちの事業成長にもダイレクトにつながっていくんですよね。

 

谷口:私はこれまでにさまざまな会社のCIPO(最高知財責任者)を務めてきましたが、S+はその中でも特にお客様の要望や生の声が詰まったプロダクトを提供していると感じます。

そのうえ、『SPIDERPLUS』をプラットフォームとして、他企業との共同開発機能の搭載も進めようとしています。こういった取り組みを行う企業は多くありません。他のプロダクトに比べて、よりお客様の声が集まりやすい仕組みが整っているのは強みですよね。

一方で、マーケティングの観点では、お客様のニーズだけでなく、企業が持つ独自技術や強みなどの「シーズ」をもとにしたプロダクト開発の重要性も社内からよく聞かれるようになってきました。そのあたりは、どう考えていますか?

 

勝部:谷口さんのおっしゃる通り、シーズ志向のプロダクト開発は大切になってくると思います。

サービスを作るには、マーケットインかプロダクトアウト、大きく2つの方法があります。S+では、お客様の要望に応える前者の形で開発を進めてきました。しかし、最近お客様とお話しする中で、「S+は何をしたいのか」「『SPIDERPLUS』というプロダクトは何を目指しているのか?」といった、プロダクトの世界観を問われるような場面が増えてきたんです。今後は、そういった声にもお応えできるような発信にも力を入れていくつもりです。

川合:これからは、時代や業界を取り巻く状況、そしてお客様の思いをさらに汲み取って、社会に対して価値を提供していく必要がありますね。今後も、全社をあげて部署横断で協働しながら、引き続き「&Co.」の精神で、お客様と共にプロダクトや事業を成長させていきましょう!

当社では「S+に興味を持っているけど転職活動への一歩が踏み出せない」という方や「エントリーするか悩んでいる」という方にも、選考なしの個人会社説明会としてカジュアル面談を実施しております。

コーポレートサイトより、ぜひお気軽にお問い合わせください! ご連絡を心よりお待ちしております。

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